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事務局からのお知らせ| その他 - 2024.04.04

令和5年度卒業式 磯村会長の祝辞

しらとり会を代表して一言ご挨拶させていただきます。

本科卒業の皆さん、専攻科修了の皆さん、本日は誠におめでとうございます。そして、これまで卒業生を支えてこられたご家族や保護者のみなさまに、心からお慶び申し上げます。

母校宇部高専は一昨年、60周年を迎え、しらとり会会員は一万人に近づこうとしています。これまで多くの卒業生が社会で活躍しております、これにより卒業生が個人的に認められると共に、母校も注目されるようなりました。その結果、宇部高専は社会的に良き評価を受けております。それを知った優秀な若い子が宇部高専を目差し入学し、学校はその人材を育成し社会に送り出す。また多くの企業がその卒業生を求め、採用し、そして社会で活躍する。この大きな循環が今も続いています。その大循環を保つ一人として頑張って欲しいと思います

皆さんは宇部高専校歌の一番に「こぼれぬ剣を磨きて、時の試練に打ち勝たん」という言葉を覚えていると思います。私は学生当時、何となく心に浮かぶイメージは持っていましたが、恥ずかしながらこの言葉の意味を深く理解できたのは卒業して何十年も経ってからです。実はこの言葉は在校生に向けた言葉であると共に卒業生への心のこもったエールでもあると思います。

毀れない剣とは皆さんは何だと思っていますか?私なりの解釈ですが、ぶれない自分を保つ、常に自分の意見や基準を持つようなこと事だと思います。エンジニアの倫理観に近いものという人もいるかもしれません。剣を磨くとはどういうことでしょうか?常に様々な知識を得て、物事を理解する力や、物事を判断する力、立ち居振る舞い等、つまり教養を身につけてゆくことだと思います。またそれは自分の人間性を高め、より判断力のある「ぶれない自分」を固めることにつながってゆきます。

皆さんは中学卒業後、多感な青春時代を宇部高専で過ごし、自分の価値とはなのか、自分とは何者のかと悩み考え、今の皆さんがここにいるのだと思います。しかし、人として完成したいえません。まだまだ自分を求めてゆかねばなりません。また、学校で得た知識は社会で生きるためのほんの基礎です。これからまだ多くの専門分野、別分野の知識も得る必要があります。また、知識を得れば教養が付くものでは有りません、多くの本を読んだり、価値観や分野の違う人とも議論したりすることで、教養を身につけ自分を高めてゆかねばなりません。

今の時代に目を向けますと、私達の過ごした時代と違い、技術進歩速度は桁違いに早くなっており、強いものが生き残る時代から変化に対応できるものが生き残る時代へと変わってきたといわれています。皆さんが常にぶれない自分を保ち、最先端の知識を得て、新しい判断力を持ち、変化に対応し次の時代を切り開いてゆくことが結果として宇部高専の大循環につながってゆくものとだと確信しております。

これから、宇部高専を卒業したことに誇りを持ち、常に毀れぬ剣を磨き続け、時の試練に立ち向かっていかれることを心から祈念いたしまして、私からの祝辞といたします。

令和6年(2024年)3月21日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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